ワークスタイルこすもは、【就労継続支援B型事業】で作業に必要な知識・技術・経験の訓練のサービス提供ができる「働くことに特化した福祉サービス」が特徴です。

就労継続支援B型ってどんなところ?

就労支援(就労継続支援事業B型)とは、国の障害者総合支援法という法律で「働く」ことをサポートする福祉サービスです。
働く場所と仕事の提供を受けて、就労訓練を行いながら工賃が貰えます。(平成29年度平均工賃実績:34,564円(一人当たり20,000円~70,000円)

特徴1)ワークスタイルこすもは、しっかりとお金を稼ぎながら働く訓練をするところ

お金を稼ぎながら働く訓練をするところ?とは、働く上で必要な知識・技術を教えてもらいながら出来上がった商品を現金に換えて受け取れます。

特徴2)ワークスタイルこすもは、一人ひとりの障害特性に応じたオーダーメイドのマニュアルを作成

(自分の特性を知る、本人の特性を理解してもらえるマニュアルを作って貰える)
障害特性に応じたオーダーメイドのマニュアルとは、各自の障害特性を訓練の中で調査観察を行い、特性に応じた対応方法をオーダーメイドで作成していきます、また、就労などの次のステップへ向かう場合には、フェースシートとして就労先へ理解を求めることもできます。できないことを減らしてできることを増やしていく取り組みです。

ワークスタイルこすもで働くメリットは?

ワークスタイルこすもは、障害のあるご家族を持つみなさまのご苦労とご心配を少しでも取り除き、ご本人さまの未来について希望が持てるような生き方を一人ひとり心を込めてご支援いたします。

「働く」ことを通じて社会との接点をつくり、自立した社会生活を送れるように、また、ご本人さまとご家族が「個性」として認め合い向き合うことで、社会に適応できる自信の回復を応援いたします。

ワークスタイルこすもの具体的な体験談をご紹介いたします。

※個人情報保護の観点から、個人が特定できないように「事実に基づいたフィクション」で事例・体験談をご紹介しています。

エピソード1:A子さん(アスペルガー障害 20歳)

良き理解者が欲しいと願うA子さんのエピソードをご紹介します。A子さんは、「身近に相談できる相手がいない。発達障害について社会との壁を感じ、孤独に陥ってしまう。」このような深いお悩みを抱えていらっしゃいました。

支援前のご本人談:「誰にも “私” を理解してもらえない…」

私が話をすると嫌な顔をされる、人と話していて楽しいと思えない。自分の好きなこと、嫌いなことを同年齢の人や家族にも理解してもらえない。そんな悩みがありました。

学校ではいつも一人でいました。友達もできませんでした。家庭では、毎日家族とトラブルとなり、怒られてしまう日々が続いています。

高校卒業後、就労していましたが、光や匂いが気になり集中して仕事ができず、指示の理解もできなくて、すぐに辞めてしまいました。

その後、自宅で引きこもりとなりました。

支援前のご家族談:「家族全員がノイローゼ状態に…」

障害認定は5歳、アスペルガー障害でした。

高校を卒業し就職しましたが、すぐに辞めてしまい引きこもり状態になっています。

就職は、本人が辞めたというよりは、辞めさせられてしまった感じです。本人の態度が悪く、ルールを守らないことが原因と言われました。

家庭では暴力・暴言・破壊行為と、被害妄想からくる確認(質問)が、昼夜問わず繰り返し行われてくる状況です。

家族全員がノイローゼ状態になってしまっているような現状でした。

訓練前面談の状況(所要時間:1時間30分)

面談時の様子では、年齢より幼い受け答えや態度、社会性の低さが伺えました。また、30分以上の会話のキャッチボールは困難、途中より集中が途切れました。

引きこもりの期間が1年あったためか、体幹が弱く座位の姿勢が30分間保てない状況です。

趣味の話では、一方的な会話や問いかけが40分以上継続して行われたため、制止の促しを行いましたが、止められず4度目に応じることができました(12分経過)。

ワークスタイルこすものアプローチ:面談での直接観察における本人の状況の把握

障害特性でない問題として

  • 体力の低下:元々、スポーツを好まず家庭内でゲームやパソコンでの活動で年齢相応の筋力が保ててない問題があり。
  • 家庭内も暴言・暴力・破壊行為で家族が言いなりになってくれる、物・お金・時間への欲望が満たされている問題があり。
  • 他者からの理解が得られない(褒めてもらえない)事からの自己肯定感の低下による情緒の不安定に問題あり。

障害特性の問題点として

  • 社会性の著しい低さ、社会通念上の常識の理解に問題あり。(ちょっと、待って。=何分がちょっとなのかが理解できず1時間以上でも待つ)
  • 会話は出来ているように思えるが、言葉の意味や理解が低く問題があり。(耳が痛い=耳の病気・爪に火をともす=爪を燃やすと考える)
  • 上記2項目の特性から想像力の欠如による、自己中心的な行動を取ってしまう問題があり。(社会常識と言葉の理解が低いため非常識な行動になってしまう)
  • 興味関心が偏る特性があり(好きな事や趣味は食事も睡眠も取らずに長時間やり続けてしまうや体調を壊しても気づかない。オタクである)
  • 感覚過敏が認められる(光・音・匂い・過去の出来事のフラッシュバック)

ワークスタイルこすもの支援:ビフォー&アフター

支援内容

  1. 体力の問題に対し、訓練時間を10時~15時(通常9時~17時)と短縮して開始、1年を目途に通常訓練時間へ移行。
  2. 訓練内容は、机上で行える作業を中心とし、集中力の向上・計算力の向上・規則性の理解を深めるため、100個で1セットの繰り返しの訓練。
  3. コミュニケーション力の強化と社会常識の向上を目的とし、毎日1時間の面談を行い言葉の理解を深め、行動と結果の予測を学習。
  4. 家庭内での生活を視覚的に理解できるようスケジュール化し体調と情緒の安定を図り家庭での行動問題の減少を目指す。
  5. 感覚過敏による、緩和方法の指導を行い、情緒の安定を目指す。
  6. 支援者とのラポート形成を急務とし、メイン支援員はマンツーマン対応を行い、徐々にフェイドアウト。
  7. 暴言・暴力・破壊行動による物品要求を廃止、工賃を稼ぎ小遣いとするように指導。(ラポート形成後に取り組む)

支援結果

  1. 半年で通常訓練へ移行、8時間労働が可能となり、座位作業から立ち作業が可能となる。
  2. 個別指導訓練から小集団訓練へ移行、机上訓練から工場訓練へと移行。(工賃単価が高い=大変難しい訓練)
  3. コミュニケーション力及び社会性の訓練は継続中、応用が利かない障害特性のため学習は継続、自己学習も可能となっている。
  4. 家庭での問題行動が激減、毎日何時間も続いた行動問題は消失、家庭内の生活時間は一時間前後の誤差はあるがほぼ安定。
  5. 緩和方法を用いたのは1年程度、過剰な感覚過敏は消失。
  6. 毎日の面談は半年で終了、その後は週に2~3度、現在は月に1度程度。
  7. 工賃から家庭に生活費を入れ残りを小遣いとして使用。

支援後の「利用者さまの声」

支援後のご本人談:「最近は将来のことも考えられるようになり、楽しく生活ができています」

昔に比べ大きく成長したと感じます。

イライラすることも減り、障害特性も理解できたことから、以前のように孤独と思わなくなりました。

趣味を通じて仲間もできました。最近は将来のことも考えられるようになり、楽しく生活ができています。

もっと作業に集中し、沢山のお金を稼ぎたいと思います。家族ともトラブルは無くなりました。

支援後のご家族談:「本人が親亡き後も生活に困らないように、指導を続けてほしい」

生活は一変し、自分の趣味の時間が持てるようになりました。

以前は将来の事が考えられなかったのですが、本人が自立した生活へ向けて努力している姿がとてもうれしい。

また、障がいがあることは分かっていたつもりでしたが、実際には、全然理解が足りていなかったことや、間違った捉え方をしていたことに気づけて良かったと思っています。

今後は、本人が親亡き後も生活に困らないように、指導を続けてほしいと考えています。

この他の「利用者さまの声」を見る

補足:「働く」福祉サービスについて

「働く」福祉サービスには、就労移行支援サービスと就労継続支援A型サービス・就労継続支援B型サービスがあります。

※違いなど、詳しくお知りになりたい方は、こちらのリンク先ご参照ください。